介護で身につけた会話術◎
私は今の介護の仕事を始めた時は、働くことで活き活きしていました。少し詳しく言うと、高齢者が安全に運動が出来るように介護をする仕事です。1つの目的が運動であることから、利用者さんに運動をしてもらう介護というものは、意外とすぐに身につき苦にもならなかったのです。
しかし、運動後、ティータイムがあり、その時はテレビはつけてはいるものの、会話も楽しみの1つで来ている利用者さん。周りの年上の職員は話しを弾ませている中、無言でテレビを見つめている私がいました。
又、運動の時間でも、利用者さんが休憩する時がありますので、その時に時間をもてあましているようでしたら話しかけもお仕事の1つです。
何も話題が浮かばない時期が長くありました。
話し下手、話せない、利用者さんとコミュニケーションがとれない自分がいたのです。
そんな私ですが、明らかに間をつなぐことが出来てきた、と感じた時がありました。今でも来所時に皆が集まった時に話しを切り出すのが遅かったり、会話に困ることは多々ありますが、私なりに成長した話し方を、今日はお伝えしたいと思います。
まず、話好きな利用者さんの場合は、話しを1つ振るだけで、展開していきます。最初の声掛けの勇気を持つだけです。無難なこととしては、体調の変化を聞いたり、食事の話しをすることです。
「今日は体調どうですか。」
身体の痛い所などわかっている利用者さんなら
「足の調子はどうですか。」など、
ちょっとしんどそうでも頑張って来ている利用者さんに
「顔色良いですね」
そんな簡単な声がけが利用者さんが話すきっかけになるのです。
「昨日1人で買い物に出かけたから体が重くて、行きは良いけど帰りのことを考えておかなあかんな」
とか
「昨日介護の(訪問介護)人が来てくれてカレーを作ってくれたんや、たくさん作ってくれるから一回で食べきれなかったよ」
とか
たくさん話しをしてくれます。
食事の話しは私は朝ごはんの話しや、季節の野菜や果物の話しをします。この話しはあまり話をしない、人にも伝わり安いかと思います。もちろんよく話す人にも良いですね。
「いつも朝にはパン食なんですか、ご飯食ですか」
から始まり
「コーヒーつけたりするんですか」
と続けると
「毎日ヨーグルトとバナナは食べているよ」
など、答えてくれたりします。
よく話す方だと、話の内容は利用者さんに合わせますが、これだけで終わってしまうと、私はめちやくちゃ普通のことかもしれないですが、
「10月にも入って美味しい食べ物がたくさんでてくるよね〜」
「栗ご飯が、食事に出てくるかもしれないね〜」
「さんまは最近食べましたか?少し値段があがっているからなかなか食べる機会減ってきているように思うんだけどね」
など、自分でも皆に聞こえるようにはっきりとゆっくり話し、
「◯◯さんはどう〜?」
と、話しかけ、答えが帰ってきたら別の利用者さんにも
「◯◯さんはどう〜?」
とか、1人にかたよらないように3〜4人を巻き込んで話します。
ティータイムでは、テレビが、ついているので、その話になる時もあります。スポーツの話題では、とてもよく知っている人もいて、自然と周りに話して頂いている利用者さんもいます。
私はテレビで写っていることを簡単に言葉に出すようにしています。
「これは、スイカの収穫をしているんだね」
「今日は◯◯の動物の特集だね」
「今、何を作っているのかな、あ、和菓子だね。器用に作っているね」
テレビがついてますので、返事がなくてもなんとか間はもつのです。とにかく、何かしら言葉を定期的に発して利用者さんが楽しかったと思って帰ってもらえるよう努力します。
このように、まだまだ未熟ながらも少しは話せるようになったのは、先輩が常に利用者さんに声がけしている姿を見ていたからだと思います。
利用者さんと話すには聴く力が重要だなあと思わせていただきます。利用者さんに話しをしてもらうように積極的に話しかける、そういったことが大切だと思います。